#21「侵食」

  天地さんのお怒りはごもっとも。まさに触らぬ神に何とやらの天地さんでありました。天地さんもどことなく潔癖っぽいというか、第九での精神的激務の逃避先として新興宗教にはまっていてもおかしくなさそうな体質にも見えたから、その手の団体をばっさり切ってくれたのは安心した。いや、信条的な理由で激しく弾劾した可能性もなくはないけど。
  第九という仕事をどう捉えるか、メンバーそれぞれがあらためて見つめ直す流れで、かつての同僚が死の直前に見せた映像には久々にウルッと来た。同僚の脳なんて見たくないというその前の言葉と、この仕事をやっていて良かったと自らを勇気付ける瞬間がうまくオーバーラップして良かったかな。鈴木の件で、第九全体が一時ボロボロになっていたことも窺い知れたし、そこを乗り越えて室長がまた鈴木の脳に立ち向かおうとしているのは、やはり青木の存在が大きいと思うんだけど、決して青木ひとりだけじゃないと感じられる辺りが何だか胸が熱くなって良かった。