#21「デザインの都」

 街の通りに置かれるだけのオブジェと化した案山子たちにスケアクロウマンは何を思う。自分自身で作りたいものがあるわけじゃない、みんなの喜ぶ顔が見たいだけというらしさを見せる一方で、生み出したものを自分で作品と言ってしまったりとらしくない面も見せたスケアクロウマンだった。ものが本来持つ力を取り戻す、あるいはそれ以上に生まれ変わらせるというのがスケアクロウマンの御業というか凄腕だとも思っていたので、あの案山子たちはほんとにただの芸術に成り下がってしまったように見えて仕方なかったけど、彼的には街の人々に見て楽しんでもらえるからということでオーケーなんだろうか。広大な畑にぽつんと突っ立っているよりは寂しくないという気持ちもあったかも知れず。