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里見は融通が利かねえなあ。見ていてイライラする。それだけ自分が長い物に巻かれることや妥協することに慣れっこになっている証拠か。ただ、絶対の自信を持っている財前は見ていて清々するのに対し、自らの行動に迷いがある里見はどうしてもイライラしてしまうところはあるかな。
東教授の下に財前助教授、さらにその下の面々という第一外科の構図が面白い。患者の家族からもらった饅頭を東教授に咎められ、返してまいりますと言う財前に、饅頭をもう食べてしまっている下々のシーンは笑った。その直前、饅頭の箱を開けて中身を確認し、ただの饅頭かと呟く財前も可笑しかったし、上流階級婦人たちはギャグだし。いやあ結構笑える作品だよ。楽しい。
狸な鵜飼教授も味だな。教授総回診だっけ、そういう時の軽い態度とか、財前に問題の手術を問い詰める時の淡々さとか、抜け目がない。その鵜飼教授に、財前が高価な絵画を贈ったのは後始末としてはどうかなと思ったら、やっぱり財前の青さが出たってことか。なんか無性に財前を応援したくなっているんだけど、そういう見方してて後々大丈夫だろか。