#3「三姉妹」

  生きるが勝ち。「生きろ」と短く太く発する慶次郎とは対照的ながら、この作品に登場する者たちの根底にあるものなんだろう。もちろん慶次郎の言葉は慶次郎が言うから説得力があるわけで、慶次郎ほど強くない者たちは生きてりゃどうにかなるものさが信条になる。場末の老いた女郎三姉妹と佐七のやり取りはいつにも増して地味だったけど、佐七の純粋さがよく表れた話だったな。