慶次郎縁側日記3

 #10「峠の果て」

最終回。人は重荷に苦しむこともあれば、何かを背負うことで救われることもある。出たね、慶次郎節(本人が言ったわけじゃないけど)。何もできやしないと傍観者たることを嘆きつつ、しっかり人の間にいる慶次郎に溜飲が下がる思い。第三期になってからます…

 #9「大つごもり」

お登世、強し。店は育てていくもの。その言葉通り、「花ごろも」を苦労しながら育て上げてきただけあって、言うこと為すこと貫禄が違うね。女将の言葉には魂があって涙。 話のほうは、次回、峠話で初回とつなげて綺麗に締め括ってくれるようだけど、今シリ…

 #8「蝮の恋」

 #7「意地」

男の意地、女の意地。貫き通す意地、職人としての意地。様々な意地を描きつつ、複数の人間関係を絡めていたのが上手かった。誰でも意地を張ってしまうときがある。一度張ってしまった手前、後に引けなくなったり、意地を張り通して結果オーライになったり。…

 #6「ふたり」

常蔵の影は死んでも消えず。おぶんに腹違いの姉がいた、ってのは作りすぎの感が否めなくて、今回はあまり楽しめなかった。自分はまだ不幸じゃないと思いたいがために、自分より不幸な者を探し、その者をせせら笑うという心理は真実味があると思うし、救おう…

 #5「可愛い女」

身持ちの固い晃之助もついに心浮つく。雷鳴とどろく夜の刹那の迷いはベタベタやったけど、すがってくる女に思わずほだされてしまう男心と、救いを求めてくる者を放っておけない同心としての世話好きな面の境界が重なってゆくところは面白かった。救いを求め…

 #4「蜩」

蝉はただ精一杯鳴くだけ。生きるが勝ちどころか、生きるという意識すら持たず。まあ確かに生きてるって実感のあるときは生きるとかごちゃごちゃ考えていないもんだよな。ごちゃごちゃ考える前に、「生きろ」ってか。吉次の妹夫婦の養子話はまだやってなかっ…

 #3「三姉妹」

生きるが勝ち。「生きろ」と短く太く発する慶次郎とは対照的ながら、この作品に登場する者たちの根底にあるものなんだろう。もちろん慶次郎の言葉は慶次郎が言うから説得力があるわけで、慶次郎ほど強くない者たちは生きてりゃどうにかなるものさが信条にな…

 #2「空蝉」

内容的にもサブタイトル的にもひと夏の幻のような出来事ではあったけど、一陣の風が吹きぬける秋を思わせる話でもあった。それが愚かなこと、偽りと知りつつ、どうしようもなくなにかにすがりたくなるとき、夢を見たくなるときがある。お登世をめぐるふたつ…

 #1「峠」

初っ端から泣かせてくれる。人を殺めた罪は生きて償え、生きろ。幾度となく聞かされたこの言葉が、慶次郎の口から吐かれると重みが感じられるのだから不思議だ。それは慶次郎が数多くの人の罪を傍らで見、その者たちが背負う重み、痛みを共に感じてきたから…